5つのおもりがばねでつながっていて、左端をモーターが揺すっています。 モーターの振動数をゆっくり変えていくと、ある特定の振動数のところだけ 大きく揺れる瞬間が5回あらわれます。それが「固有振動モード」です。
おもりが5個、ばねで一列につながっていて、両端は動かない壁とみなせます (左端はモーターが押し引きする「境界条件」、右端は固定壁)。 このような鎖には、ちょうどおもりの数だけ「固有振動モード」— 鎖全体が きれいな1つのパターンで揺れ続けられる特別な振動数 — が存在します。 モーターの振動数をその固有振動数のどれかに合わせると、共振が起きて 振幅が大きく育ちます。
各モードの「形」は φn(i) = sin(nπi/6) という式で決まります(i = 1〜5 はおもりの番号)。左右どちらの端も同じ「壁」なので、 鎖のちょうど真ん中(3番目のおもり)を軸にした鏡映対称があり、n が偶数のモードは 真ん中のおもりが完全に静止したまま両側だけが逆向きに揺れます。
| モード n | 形の特徴 |
|---|---|
| 1 | 5個全部が同じ向きに、いちばん大きく揺れる |
| 2 | 真ん中(3番目)のおもりは止まったまま、左半分と右半分が逆向きに揺れる |
| 3 | 3つのかたまりに分かれて向きが入れ替わる |
| 4 | 真ん中のおもりはまた止まったまま、さらに細かく向きが入れ替わる |
| 5 | 隣りあうおもりが1個ごとに逆向きに揺れる |
質量 m のおもり5個が、ばね定数 k のばね6本(境界の壁2枚を含む)で 等間隔につながれた鎖のモード方程式を解くと、固有振動数は ωn = 2√(k/m) · sin(nπ/(2(N+1))) (N = 5)という形になります。この式はN個の原子が鎖状に並んだ結晶モデル (1次元フォノン)でも使われる、とても基本的な結果です。 右の「モード分解」グラフは、各おもりの変位 ui(t) を cn(t) = (2/6) Σ ui(t) sin(nπi/6) で射影し、そのRMS(実効値)を棒の高さとして表示しています。