二重にじゅう振り子シミュレータ

AとBは、まったく同じ運動方程式・同じ長さ・同じ重さで動く2つの二重振り子です。 違うのは、最初の角度がほんのわずか(目では気づかないほど)ズレていることだけ。 しばらく待つと、2つの動きはまったくの別物になっていきます。これが「カオス」です。

A(もとの初期角度) 最初の角度 θ₁(0) = θ₀ θ₁(0) = 120.0°
B(ほんの少しだけずらした初期角度) 最初の角度だけ Δθ ぶんズラす θ₁(0) = 120.0° + Δθ

▶ やってみよう

操作パネル

120°
大きく振るほどカオスになりやすいよ
0.05°
対数スケール:0.001°〜10°。小さくしても結果は同じようにバラける
1.00 m
1.00 m
1.00 kg
1.00 kg
9.81 m/s²
0.00 /s
入れると、いずれAもBも真下で静止するよ
経過時間0.00 s
先端のズレ (A-B間)0.0e+0 m
θ₁ A(もとの角度)0.0°
θ₁ B(ズラした角度)0.0°
Aのエネルギー誤差0.0000%
Bのエネルギー誤差0.0000%

先端のズレ(AとB)— 対数スケール

直近15秒 · 縦軸は10倍ごとの目盛り

軌跡(先端の通り道)

A・Bを重ねて表示

なぜAとBはこんなにズレるの?

単振り子と違って、二重振り子はどんなに角度が小さくても厳密に非線形(sinやcosをθで置きかえる近似が効かない)な運動方程式に従います。 さらに大きく振ると、この系は「カオス」と呼ばれる状態になります。カオスの特徴は、 最初のほんのわずかな違いが、時間とともに指数関数的に拡大していくことです。 「先端のズレ」グラフが右肩上がりの直線に見えるのは、対数スケールで指数関数的な増え方をしているからです。

ズレがある大きさまで拡大すると、それ以上は増えずに上下にバタつきます。これは振り子の可動範囲に限りがあるためで、 「有界なカオス」と呼ばれる典型的な振る舞いです。天気予報が「1週間より先は当てにくい」のも、 同じ理由(初期値のわずかな誤差が時間とともに拡大する)によります。

もっと詳しく知りたい人へ(運動方程式とエネルギーの検算)

質点2つ・質量なしの棒2本というモデルで、ラグランジュ力学から導かれる運動方程式は次の通りです (Δ = θ₁ − θ₂、添字1が上のアーム、2が下のアーム)。

d²θ₁/dt² = [ −g(2m₁+m₂)sinθ₁ − m₂g sin(θ₁−2θ₂) − 2sinΔ·m₂(ω₂²l₂+ω₁²l₁cosΔ) ] / [ l₁(2m₁+m₂−m₂cos2Δ) ] d²θ₂/dt² = [ 2sinΔ·(ω₁²l₁(m₁+m₂) + g(m₁+m₂)cosθ₁ + ω₂²l₂m₂cosΔ) ] / [ l₂(2m₁+m₂−m₂cos2Δ) ]

単振り子(1本の振り子)は角度が大きくても周期運動(規則的な往復運動)にとどまり、カオスにはなりません。 二重振り子で自由度が1つ増えるだけで、大振幅では不規則な運動が生まれるというのは、力学系の分野ではよく知られた性質です。 画面上の「エネルギー誤差」は、摩擦をOFFにしたときに全体の力学的エネルギーがどれだけ保存されているかを示す検算用の数値で、 数値積分(RK4法)が正しく動いていることの目安になります(0%に近いほど良い)。